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『双頭の鷲』 千秋楽
会場は「ル・テアトル銀座」と知っていたのに、電車に乗った時には、なぜだか「渋谷」に行こうとして、携帯で乗り換え案内を見ていた。

一番早い方法は、横浜で湘南ラインに乗り換えて渋谷に一直線。
でも、一番安い方法は、横浜で東横線に乗り換えて渋谷へ。
上のコースと比べると15分余計にかかるけれども、120円安い。
時間を取るか、料金を取るか? の選択である。


しかし、電車が走り出して、あら?・・・・・・と思い始める。
(「ル・テアトル銀座」というのだから、「銀座」なんじゃないの?)
何回も行っている場所なのに、会場までの道のりを頭の中で思い返すと、なぜか渋谷の通りが出てくる。
(あれ~??????・・・・・・)
なんだか、完全に私の脳みそはまだらボケのようだ。

夢の中で道に迷って目的地に着けなかったり、電車を何回も乗り換えて到着駅が分からなくなったりする、あの感覚に非常に似ていて気持ち悪い。
まさに「夢かうつつか・・・・・・」の妙な感覚。

何度も何度も解けない計算を繰り返すように、頭の中で「ル・テアトル銀座」から駅までを逆行してみると、
(ああ、やっぱり銀座だった)
と、漸く確信するに至った。 ヤバイ、ヤバイ・・・・・・


有楽町の駅で下車して、なるべく人混みの少ない道を歩いていこうと思いながら、西武デパートの脇を大通りに向かう。
さすが銀座。歩いている人たちも、ちょっと洒落た富裕層の人が目に付く。
私の目の前を歩いていた二人連れの女性、向かって右側の人の後ろ姿に目が釘付けになった。

あれ? ジャケットの後ろが斜めに切れている。・・・・・そういうデザインかぁ?
と思うのだけど、私はその「斜め」部分が、まるで手で引きちぎったように生地がほつれていることが気になって目が離せない。
(本当に生地が切れたままみたいだ・・・・・・)。
そう、まるで雑巾を下げて歩いているみたい。(写真ではチョット分かりにくいかも・・・・・。)
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かと思えば、何か芝居の宣伝か? と思うようなご一行さま。
最初、着物の着付け教室の宣伝かと思い、いや、雑誌か何かの撮影かと思い、・・・・・・結局分からず終いのまま、私はそのまま素通りした。
要するに、都会とは何が居てもおかしくないという感覚だから、深く追求せずにサラリと事が流れる。
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さて、いよいよ2時の開場と共にエレベータ前の人の列も途切れず、向かいの交差点からはどんどん人が湧いてくる。
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3Fで扉が開くと、見慣れた開場受付と天井からの大きな旗(?)に、何やら懐かしさのようなものを感じる。

私と友達の席は、今回最前列。
舞台上を見上げる形になるので、少々首の疲労は感じるものの、やはり前に障害物がないと、丸々舞台にのめり込めるものだ。
え? もう休憩時間? というほどに時間が駆け抜けていく。

脇を締めていた長谷川初範さん、夏樹陽子さんが際だっていた。というよりも、これがベテラン俳優というのだろうか、知名度のある俳優はこういうことなのだ、と感動した。
昨年に引き続き出演された格闘家の大山さんも、昨年よりも確実に上手くなっている。私が「上手くなっている」などというのはおこがましいのだが、役が自然になっているというのだろうか。観ていて不自然さがなくなり、実践で鍛えられることの大きさをつくづく感じさせられた。

どんな役を演じようとも、その人が赤裸々に出てくるから、人間(魂)磨きが一番大切だと私は感じている。

欲を言えば、というよりも、かなり重要なポイントのような気がするのだが、美輪さんの相手役を務めている木村章吾さん、可哀想なほどの見劣りを感じた。美輪さん相手というだけでも、かなりの力量差が見えてしまう上、脇役陣も実力がある人たちだから、観ていてかなり辛いものがある。
誰もが年々進歩しているはずなのだが、・・・・・・やはり、分にあった段階というものがあるのだろうか、と思わずにはいられない。
せっかく美輪さんに目を留められて、主役を与えられているのだから、そのチャンスを生かせればよいけれど・・・・・・、と何だか私の心は重かった。


2時半開演の舞台は、6時半頃終わり、全員が総立ち。
7~8回のカーテンコールでも拍手鳴りやまず、途中、開場がどよめいて前の方の人たちが皆後ろを向いているから、出演者が後ろから登場したのかと思ったら、なんと2階のボックス席に一際大きなご仁が。
そうです、和服を着た江原啓之さんです!

会場の人々に気づかれて一瞬戸惑っているようだったけれど、手を振る人も多く、最後には彼も両手を大きく振って答えていた。私と友人も、武道館の公演以来の再会だったので、これも嬉しいサプライズだった。


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楽しい夢から目覚めたばかりのように、私と友人は幸せに満たされていたけれど、とてつもなく空腹だった。
当然夕食を食べていこうということになり、二人でイタリアンレストランへ。
トマト好きの友人は、トマト味のパスタ。 今年トマトづいている私も、トマト味のパスタ。
食後は、写真のデザートで幸せがミルフィーユ状態。・・・・・・

帰宅は久しぶりにシンデレラタイムを越えていたけれど、体は疲れても心は満たされていた。




こういう日もあるんだな・・・・・・。




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by anrianan | 2008-09-29 18:26 | ■芸術orエンターテインメント
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