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茅の輪
週に1回金沢文庫へ仕事で出る。
京浜急行上りの快速特急に乗ると、横須賀中央の次が金沢文庫。約10分ほど。
当然私が利用するのは、この快速特急ばかりだが、数ヶ月前にたまたま「特急」に乗り合わせた。

特急というのは、止まる駅が増える。
金沢文庫の一つ手前の「金沢八景」にも止まる。
遠距離を乗らなければならない私のような人々には、あまり歓迎されない特急であるが、金沢八景の駅に着いた時に、私はふと
(降りてみようかな)
という気になった。

この駅から2-3分歩くと、八景島シーパラダイスなどに行く時に利用する「シーサイドライン」(モノレール)に乗り換えることが出来る。
私は結核を患った時に、シーパラの一つ先の駅になる「市大病院」に入院していたから、とても懐かしく感じる。
外出許可が出た時に、母と一緒にこの金沢八景駅まで来て、ダイエーに行ったことが忘れられない。

私の目的地は、金沢文庫と金沢八景のちょうど中間くらいに位置するから、歩いてもわけないし、こういう機会でもないと八景駅で降りることはないので、ちょっとワクワクしながら改札を抜けた。
そして、その時の散策が期待通りに楽しかったので、それ以来、特急が来るとちょっと心が弾む。


金沢八景駅を降りると、目の前には美味しいパン屋さんがあり、その道をまっすぐ進むと大通りに出る。
そこを左に曲がって50mほど進むと、左手に瀬戸神社がある。
以前、私の産土神社を調べたら、どうやらこの瀬戸神社だということが判明したのだが、それまで私はそのことを知らなかったものだから、一度も参拝をしたことがなかった。当然引っ越しの「ご報告」などもしていなかった。

そうなのですよ、知ってました?
引っ越す時には、その土地を納める神さまに(神社)に「ご報告」が必要なんですってよ。

こりゃいかん、ということで、入院中の外出でこの神社を訪れてご挨拶をしたのだ。


さて、そのご挨拶から10年以上経ってしまったわけですな。
そして、再び偶然にもその神社の前を通る機会が巡ってきたというわけだね。
昨日も特急がやって来たので、八景駅で降り、横目に神社を眺めながら通り抜けながら・・・・・・
(おっ! 茅の輪だ!)
歩きながら私の目に入ってきたのは、あの “茅の輪” だった。

茅の輪_d0046294_7524829.jpg


6月の夏越しの祓いに、この茅の輪をくぐると罪科汚れ(ツミ・トガ・ケガレ)を祓い、厄を祓うと言われてる。
これは山陰神道に出会って仕入れた知識。


(今年も山陰神道の夏越し祭には行けないから、ここで茅の輪を見せてもらえたんだなぁ・・・・・・)
私はちょっと感動して、10mほど歩き進んだ後、はた! と立ち止まり、クルリと来た道を戻った。

この10mの間に、
「あっ! 茅の輪だ! くぐりたいなぁ・・・・・・。」
「でも、一人でくぐるの恥ずかしいなぁ・・・・・・。」
と、つまらない羞恥心が心を迷わせ、素通りをしてきたのだけど、
「今を逃したら、今年は茅の輪をくぐれないよっ!」
という声が追っかけてきたのだ。

“今” を逃したら、次はないよ!

これは、最近の私にはかなりキーワードになっているから、恥ずかしがっている場合じゃないのだ。

私の後ろを歩いていたオジサンは、かなり驚いていたね。
私の顔をジッと見てたもの。

でも、私はズンズン戻って、鳥居をくぐる。
茅の輪を八の字にくぐって、賽銭箱の前に立つ。
財布の中をごそごそかき回したら、1つだけ5円玉があった。
(今時5円っちゅうのもねぇ・・・・・・)
物価高の時代じゃ、5円のお願い事なんて大したお願いはできないやね。

でも、5円は御縁っていうから・・・・・・・。
私はお金持ちじゃないから・・・・・・。
と都合のよい言い訳を付け足して、賽銭箱にポトリと落とした。


    ・・・・・・・・・。


なんだか手を合わせたらさ、
たった5円ぽっちだからと言う訳じゃないんだけど、お願いごとが出てこなかったのよ。

「ご無沙汰しております。今住んでいる地域の神社にもあまり行っていません」
と、まずはお断りとお詫びをしたら、
「この世に生まれて、今このように生きていて感謝しております。ありがとうございます。」
なんて言っちゃているじゃないのさ。

あれ? 
お金のことは? 男のことは? 


  もっといっぱいあったはずなのに・・・・・、お願いすること・・・・・・・。
by anrianan | 2008-06-25 18:42 | ■伝統と文化
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