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どういうこと?
私は今までに、かれこれ20社近くの派遣会社に登録経験がありますが、それぞれの会社によって試験内容の違いがあり、その違いはその会社の「仕事に対する真剣度」や「責任感」につながっているように感じます。

同じ職種で同じ会社に数人が派遣されたとして、派遣会社によって時給が異なることは多々あります。
同じ仕事をしているのに、なぜ派遣会社によって時給が違うのでしょう?

過去の経験から感じることは、「時給が高い」派遣会社の試験は念入りです。

私の中では「派遣=スペシャリスト、プロフェッショナル」の認識があったのですが、それがどうやら最近は、「アルバイト」とあまり変わらない意識の登録者が増え、また派遣を依頼する会社も「安けりゃいい」ようです。

ミートホープの社長が、
「消費者は安い方を好むから・・・・・」(だから、質の悪いものでもいい)
とふざけた言い訳をしていましたが、今の社会全体を見ていると
(それは言えてるな・・・・)
と苦笑せざるを得ませんでした。

派遣会社の世界でも同じことが言えるようです。
企業も人件費を節約したい=安く使い捨て出来る方がいい
この公式によって成り立っている社会だから、自己投資して技術や知識を身につけて、それなりの時給を望む人間よりも、“誰もが出来る簡単な仕事(=安い時給)” の人間の方が門戸が広いという状態です。


ほとほと呆れた最近の例を書きましょう。

私は、期間限定の「OAインストラクター」の募集を見つけました。
応募する前に、以前インストラクターをしていた経験上、いくつかの問い合わせをしました。

例えば、OSはXPなのかVistaなのかとか、Officeは2003なのか2007なのかとか。
私がバリバリにインストラクションをしていたのは「Office 97~2000」の頃なので、いずれにしても新機能を含めて復習しなければならないと思っていましたが、そのためにもパソコンをいよいよ新しく買い替えようか・・・・とも考えていました。 (なにしろ、あちきのPCは98)
購入するにしても、講習がXPで行われるならば、XPを買おうとか・・・・・。

また、現在の仕事のシフトが来月分は大方組まれていたため、そこら辺の調整は可能なのかどうか、ということも合わせてメールのやり取りをしたのです。
先方は急いでいる様子もなく、
「他のインストラクターの方と調整しますので、ご応募ください」
との返答といただきました。
そして、予約をいれた日時に指定された支店に足を運びました。

最近の傾向としては、どこの派遣会社も仕切られた部屋やブースの中で、登録に行った人間が一人でPC上のWordやExcelの試験や入力テストなどを行います。
終わると呼びベルを鳴らし、担当者が現れます。

そして、もう一つ申し上げれば、そのWordやExcelのテストのソフトは、たぶん同じ会社が売ったんじゃないでしょうか。 似たり寄ったりの問題で、もしかしたら全く同じかもしれません。

数ヶ月前に登録にいった会社でも同じテストを行った時、その会社はその場で採点を見せました。
初級・中級ともに100%だったため、上級も挑戦してみることにし、
(ああ、かなり忘れているなぁ・・・・・)
と、ショックを受けていたので、今回もきっと上級テストまでやるに違いない、と腹をくくっていました。
だって、「OAインストラクター」の登録ですから。


すると、WordとExcelの初級テストを行なうと結果も無く、
「派遣会社についてご説明をさせていただきます」
と、妙にバカ丁寧なイントネーションで始まります。

私は、得体の知れない違和感と怒りともどかしさなどがない交ぜになったまま、
「申し訳ありませんが、わたしは “今回のOAインストラクター”の仕事のために登録にきたので、その説明をお願いします」
と切り出しました。

私がメールのやり取りをしていた内容や、その会社の会員登録に打ち込んだ情報など、まるで何も無かったかのようにマニュアル通りに勧めようとしていたところを見ると、本社との連絡もきちんとしていないし、事前に連絡してきた登録者について何の準備もしていないことが分かります。

そして、講習の日程まで聞いてあった私は、現職のシフトとのすり合わせをしていたのですが、その担当者は、
「そのスケジュールの色づけがされている日は、すでに決まった人がいるので、それ以外の日ということになるようで・・・・」
と、私に講習の日程表を渡しました。

私は思わず、
「あの・・・・・・・・、こういうものは “早いもん順” で決まるんですか?!」
と、余りの言葉に唖然としてしまいました。

「お申し込みをいただいた先週はまだ決まっていなかったのですが、今日来ていただくまでに決まったようで・・・・」
「ちょっと、よろしいですか?・・・・・・・。
私はインストラクターを教育した経験もあるので言わせていただきますが、今日の、あの、初級のテストのみで、どうやってインストラクションが出来るのかどうか判断するのですか?」

ぶち切れた私は、まだまだ続く。
「今日私は、ただ登録に来て何か仕事を下さい、というのではないのです。 今回のインストラクターの仕事をするために来ましたし、事前に、その為の質問を本社にメールで送り、そちらの指示通り、本日ここにやって来たのです。 それが、初級のテストをして“もう決まりましたので”というのは、どういうことでしょうか?」



結局、「後ほど本社と話して、もう一度確認します」ということだったが、決まった人というのは以前にも一度インストラクターの仕事をしているので、その人ならいいだろう、ということらしいのです。
「ならば、今後もその人が応募してきたら、他の人に機会はないということですね?」
と念を押し、私は壊滅的社会構造と現代人の意識を感じて愕然としました。

この世は、何度失望や絶望や愕然、ボーゼンを経験しても、上には上がいるもんですねぇ。
それだけ人間の良識や常識が、絶滅的だということなのだろうと思っています。


世間では、社保庁だ、ミートホープだ、政治家だ、と彼らの酷さを指摘していますが、80%の経営者、会社が同じようなことをやっているんだぜ。

   わかっているのかい? アンタら。



政治家さん、もし本当に社会を変えようと思っているなら、
一度、「登録者数」と「就業者数」を各派遣会社に申告させたらいかがですか?
従業員を水増し申告している会社も多いですしね。

by anrianan | 2007-07-28 08:19 | ■仕事
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