トラウマ解消のエピソード “ナオキ編” をアップしなければと思いつつ、最近は時間が無い。
「忙しい」とか「時間が無い」はいいわけがましいと思うが、「ブログをアップする時間が無い」。
変なもので、ブログなんて収入になるわけでもないし個人的なものだからどうでも良いのだけど、しばらくアップしないと居心地が悪い。 やらなければならない宿題をやっていないような気になる。
ということで、“なおき編 「夜寝るのが怖い」” をアップしたいと思う。
キネシオロジーを勉強していくと、ずいぶん人間の体というのはデリケートに出来ていると驚く。
ある人は「腰痛」であり、ある人は「胃痛」であり、ある人は「頭痛」であり、と様々な症状を抱えているが、大抵の原因はとんでもないところにある。
もともとは「ある時」の「ある感情」に気づかず、或いは自分では「解決した」と思っていたものが、長年温存され大切に育てられていたりする。
「無意識」とは「意識が無い」という字のごとく、顕在意識とのギャップの大きさに驚くばかりだ。
さて、ナオキは
「夜寝る時に、嫌だなぁ・・・・・と、なんだかいつも怖いんですよね」
という。
なんだよ、大したトラウマじゃないんじゃないの?
と、私は他人事だから思った。
ま、しかし「実習」だから一応見ておこう・・・・・てな感じ。
自分のこと以外、大抵
「あまり大したことない」
と思ってしまいがちなのが人間だね。
彼が決まって「嫌だな」と感じる瞬間は、どの姿勢をとったときか?
を、コマ送りのように動きを止めながら筋検査を行う。
すると、
ベッドの上であぐらをかいて本を読み、“さて、そろそろ寝るか、と時計を見た瞬間” 筋肉は反応した。
それから彼はベッドに横になる・・・・・・・。
「怖いんですよねぇ・・・・・・・」
とつぶやく。
前頭葉に手を当てるESRという治療法を行いながら、以前その「嫌な状態」をどこかで体験していないか? に焦点を当てて考える。
「あ、・・・・・・・一つ思い出したんですけど」
「いいよ、何?」
「オーストラリアに行っていた頃のことなんですけど・・・・・」
彼は10年くらい前にオーストラリアを放浪したらしい。
その時の思い出を語り出した。
車の中で寝袋に入って寝ていたら、現地の人間数名に脅かされたという。
いきなり車の窓ガラスに大きな石をぶつけられ、もう少しで頭を直撃する所だった。
その時の「ガシャン!」という音が怖かったと話す。
彼は空手と居合いをやっていた。
身近にあった棒を手に車を飛び出し、内心焦りながらもすばやく身構えて周囲を見回す。
しかし、暗闇が辺りを包み込み誰も見えなかった。
その時の体験を再現する。 周りの人が登場人物を演じた。
まさかガラスを割る訳にもいかないので、カリスマK(院長)は大きなパネルを持ってきて、それを別の人に拳でたたかせたり、治療枕を投げさせたり「ガシャン!」の音を出すためにいろいろと工夫をこらす。
傍から見ていると、一見コントのように可笑しい。
しかし、その「ガシャン!」の恐怖体験を当時のものに近づけることで、彼の記憶を呼び戻す。
彼はしばらく「ガシャン!」の恐怖を再体験の後、眉間にしわを寄せてじっと横になる。
その静寂がどのくらい続いただろうか、2-3分だったかもしれないし、5分あっただろうか。
「あ・・・・・・」
と再び、声がもれる。
「今、また思い出したんですけど・・・・・・、やっぱりオーストラリアの時のことで・・・・・・」
やはり夜に関する思い出。
ある深夜、お金が無い彼は宿にも泊まれず、バス停で野宿をしなければならない覚悟をしていた。
すると、向こうから男性が一人やってくる。手には紙袋を提げている。
こんな深夜になんだか不自然だ・・・・・・、と感じた。
その男性はちょっと離れた場所からナオキに話しかけてきた。
そして一人分くらいの空間を空けて、ナオキが座っているベンチに腰掛ける。
どうということもない雑談をした後、
「どこに泊まっているの?」
と彼が聞いてきた。
「え・・・・と、泊まるところが無くて・・・・・」
「じゃ、僕のホテルに泊まりなよ」
「え?(ラッキー!) でもお金が無いんだ」
「いいよ、僕が経営しているホテルだから」
「えっ? いいの?(♪)」
ということで、なんだか怪しい(=危ない)と思いつつも、野宿するよりはいい! という誘惑に勝てなかったナオキは、彼に手を取られ、なかば連行されるような形でホテルに行った。
彼はナオキを部屋に案内した。
そして、何気ない会話をしているうちに妙な雰囲気を感じる。
なんというか・・・・・・、なんだか、まとわりつくような・・・・・ピンク色の空気というか・・・・・、
そうである!
勘のいい方は、すでにお察しであろう。
ナオキは彼に「所望」されていたのだ! (=^o^=) ギャハハハハハ・・・・・・・!
やばい! やばい!
と心で叫びながら、彼を部屋から出すことに必死になった。
「僕はそうじゃないから! ごめんね!」
ビシッ! とそういってやって彼の背中を押すと、敵はようやくしぶしぶと部屋を出て行った。
ホッ・・・・・・!
と胸をなで下ろすと、疲れ切って早速ベッドにもぐり込んだ。
と安心するもつかの間、
トントン・・・・・・・ トントントン・・・・・・・。
ドアがノックされている。
がっ!?
ナオキのつぶらな瞳は見開かれ、冷や汗がドッと出てくるようだった。
小声で名前が呼ばれる。
「用があるんだ」
とささやく声が聞こえる。
開けたくない! が、
何か他の用か? という半信半疑との狭間で、しかたなくドアを開けた。
すると、
彼が枕を抱えて入ってきた・・・・・・!
- つづく -
長くなるのでここら辺で区切ります。
ナオキ危うし! (笑)
さて、このまま押さえ込まれるのか?
それとも、彼のアタックを逃げ切れるのか? お楽しみに♪