前回「前書き」で終ってしまった続きです。
そのトラウマの原因となる出来事が起こった時に自分がとっていた姿勢は、その姿勢を取るたびにそのトラウマの原点を蘇らせているらしい。 そしてそのトラウマを解消するために「その時の姿勢になって調整を行う」という方法がある。 講師(院長)が皆の前で見せるため、私が公開治療のモデルになった。 ↓ これが、カリスマキネシオロジスト! プッ! 手が下がらない。 これは「NO」(問題ではない)という意味。 「それは違う。別のこと」 と言われ、 (じゃ、あれのことかな?) と私は考えて、別のことを考える。 「それも違う。他に」 再び、別の気になっていることを考える。 私は、生きることに前向きになれない原因を次々考えた。 具体的に言えば、 恋愛が成就しないこと、仕事のこと、以前に分かれた彼のこと、結婚のこと・・・・・・。 (フィンドホーンに行ったこと・・・・・・) と心に思った時に、手が下がった。 「これだ!」 とカリスマK(院長)が一言。 (おぉ・・・・・、と焦る私) 私の場合、原因となる「フィンドホーンに行ったこと」を思いながら、体の各部位の筋肉を調べる。 基本となる14筋の強弱を調べるためにいろいろなポーズを取り、調べる側は負荷をかけて押す。 大腿四頭筋以外は全ての筋肉が弱いという結果が出た。 「前に進む力だけが異常に強いよ!」 とカリスマKが驚く。 (ああ、だから生きて来れたんだ) と私はとっさに思った。 再び向かい合って座り、問診が続く。 「フィンドホーンに行っていろいろなことがあったの?」 「もの凄くありました」 「じゃ、具体的に何があったのか、箇条書きでどんどん言って」 「行く前にある男性と別れたこと。大きな仕事のチャンスを逃したこと・・・・・・」 彼は一つ一つに、私の腕を押しながら問いかけるが腕は下がらない。 「違う、もっと出して」 と言われるが、それらの項目を言ったら私は考えあぐねてしまった。 そこでとにかく、その時にショックだった出来事や気持ちをこと細かに思い出しながら、なるべく箇条書きにして言葉にしていった。 私が話している言葉から、彼が拾い出してくれると思ったからだ。 それを書記の人が書き出したのが、下の写真。 書き出された項目の一つ一つについて、彼は私の腕に聞いていく。 なかなか下がらない。 私の中にも焦りと不安が出始めた時、腕がすっと下がった。 「“すべて”って何?」 と聞かれた。 「すべて? 私“すべて”なんて言いました?」 「言った。 この“すべて”って何?」 と問われ、私は再び言った記憶のない言葉について考えてしまった。 周囲の人も私が発した言葉を聞いている。 記憶に無いのは私ひとりということになる。 潜在意識から発せられた言葉は、本人が言った記憶がなかったり、聞こえないほどの小さな声だったりするのだという。 言いたくない、聞きたくない、思い出したくない、という潜在意識がそうさせるのだろうか? その何気ない一言を拾い上げる勘どころが、この治療の結果を左右させるように感じた。 (すべて・・・・・・?) と思いを巡らせると、 「私はフィンドホーンに行ったことで、すべてを失ったという思いを持っている」 に至った。 フィンドホーンから帰国し、私は末期の結核にかかっていることが判明して隔離病棟に入院することになった。 検査結果を聞きに行ったその場で、連行されるように即刻隔離病棟行きとなり、まさに青天の霹靂だった。 交通事故でいきなり死んで、生活がぶっつり終わるとはこんな感じだろうか? と思った。 カリスマKは「私が入院している時」にそのトラウマの原因があると言う。 さらに「ベッドに寝ていた時」という結果に突き当たった。 「病院のベッドはどういうベッドだったの?」 「角度が調整できるベッドで、昼間は背を起こしていました」 「ベッドの背が起きている時・・・・・・(反応なし)、ベッドが横に平・・・・・・」 と彼はつぶやきながら私の腕を押すと、“ベッドが平”で腕が下がった。 するとその状態を再現すべく、私はベッドに横たわることになり、見ていた他の人が医師や看護婦となって私の回想に従って演じる。 私の記憶と彼らの演じる状況がまったく同じわけではないし、コントみたいで可笑しくなることもあるのだが、不思議に当時のことに気持ちが入り込んで色々な場面を思い出していく。 自分の服装やその時の気持ち、医師と看護婦がバタバタと私の周りを動きまわったこと、 質問された内容、母に連絡すると言われて湧き上がった思い、そして、 自分がすべてを失った・・・・・・と感じた絶望感。 フィンドホーンに旅立つ前に、仕事の大きなチャンスを失い、ある男性との別れがあり、 すでに絶望の中での旅立ちではあったが、行った先でもいろいろなことが起こり、毎日が感情のジェットコースターだった。 結核が発病していたことも知らずにいた私だが、帰国の一ヶ月前には現地で10日ほど寝込み、息をするのも苦しく、水も入らない状態になっていた。 それでも日本に帰りたくない、と思っていた私は何だったのか? と今でも考える。 その頃、母は蜘蛛膜下で倒れ、一時は助からないと言われていた。 もちろんこの時、わたしはフィンドホーンに居たし、知らされなかった。 余談だが、私は「いつも私が海外に行くと、母が私を呼び戻す」と思っていた。 しかし、神道を勉強していろいろ知った今、この時母は“身代り祓い”で私を救ったのではないかと思っている。 私が寝込んだあの時の状態は、今になると結核と肺炎を併発していたに違いないと思え、死ななかったのが不思議なくらいだった。 母が死にかけた分私は死なず、また母が再発すると言われた頃に当時飼っていたクロ(犬)が、母と同じ症状で半死の状態となった。 母とクロが引き受けてくれた分、私が死ななかったのだと思える。 借金をして行った私は、入院したことで働くことが出来なくなり、返済が心に重くのしかかった。 それを知った母が、自分のへそくりをはたいて返してくれた。 しかしへそくりがほとんど底をついた母の表情は、何も言われなくても、十分に気落ちしていることが伝わってきた。 言われない分だけよけいに辛かった。 私には何も残っておらず、身近な人を踏みにじり、私は生きている価値が無いと思った。 私が病院で横たわった時に、その思いが体の細胞に染み込んだようだ。 そして、その姿勢をとる(横になる)たびにその状態が私に起こっていたのだった。 そう言われて、私は全身がヒヤッと冷たくなるようだった。 だって、毎晩毎晩寝るたびに 「明日からガンバロウ!」 と思っても、横になるたびにリセットされていたことになる。 10年間どんなに自分を奮い立たせても、前向きになろうとしても、次第にエネルギーが消耗していくような状態に深く納得できた。 最初の筋検査で「大腿四頭筋」のみが強く、 「前に進む力だけがあるんだね!」 とカリスマKがビックリしたことを思い出し、決して私は自分の怠慢で生きることを諦めていたわけではなかったのだ、「前に進もう」と確かに努力していたのだ、と証明されたようで、涙が出るほど嬉しかった。 最後に、再び筋検査を行い各部位の筋肉が強くなっていることを確認。 最初どんなに頑張っても負荷に負けていた手や足が、今度は負荷をかけられても楽にその位置に留まっているのだ。 この筋検査は、行うたびに自分の体ながら不思議だと感じる。 最後に「結核菌」が入った試験管を手に持って筋検査を行う。 どんなに押されても、腕はカチッと止まったまま動かない。 これは結核菌が私の体内に無いということ。 一部始終を見ていた他の受講生の方から拍手をいただいた。 試しに「水銀」などの試験管を持つと、今下がらなかった腕が押されて簡単に下がってしまう。 ん~、やっぱり不思議だぁ・・・・・・。 「どう? 何か変わった?」 と聞かれても、自分では何が変わったのかよく分からないというのが正直な感想だ。 だけど、なんだか体の中が軽くなっているような気がするというのも確かで、 「これからの私がどう変わるのか? どういう選択をして、どういう人生を造っていくのか? が楽しみ」 というより他に言葉が見当たらない。 人間は「無意識」の部分にすべての情報があるから怖いと思う。 いつもとる姿勢の中に、あるいは癖の中に、なんらかの原因がある。 それを筋肉が反応して教えてくれる。 では、筋肉が動かせない状況の人はだめなのか? と言うと、「脳」が筋肉に指令を送るから諦めることはないのだということが分かってきた。 私はキネシオロジーに、医療を越えた人間の自然治癒力の神秘を感じ始めている。 この日午後から、院長がサポートをしながら別の受講生が実習を行った。 「夜眠るのが怖い」という受診側の人の原因を探っていくと、オーストラリアの旅先でのホモ事件や記憶がない頃の母親との出来事へと記憶が及び、最後に原因が究明される。 本人には悪いが、大いに笑ってしまったこの様子を、次回写真付きでレポートしようと思います。 (その前に、了解をとらなきゃね)
by anrianan
| 2006-10-18 08:04
| ■美容・健康
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