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ユベール・ロベールと美輪明宏と真夜中のラッシュ
                                                  詳細はこちらのサイトで
ユベール・ロベールと美輪明宏と真夜中のラッシュ_d0046294_8583336.jpg27日金曜日、雨の中上野の西洋美術館で開催されている“ユベール・ロベール-時間の庭”を鑑賞してきました。
素描だけでも充分に楽しく、油絵では空の美しさが印象的でした。
光と影の表現や物の質感はいくら見ていても飽きることなく、たっぷり4時間近くの時をかけてユベールの世界に浸っりました。
そして地下鉄に乗り込んで座った時には、足も腰も疲れがどっぷりと流れ出ていたのでした。

けれども一年中を通して公私ともに忙しい心友と、はるばる横須賀の田舎から江戸に出ていく私ですから、美術鑑賞とお食事をして終わり、なんてわけにはいかないのです。
会う時はいつも“ゲイジュツの梯子デー”となり、この日は食事の後、美輪明宏さん主演の『椿姫』を観に行きました。



「椿姫」のサイトはこちら) (※ここをクリックするとYoutubeで美輪明宏さんのコメントが見られます
ユベール・ロベールと美輪明宏と真夜中のラッシュ_d0046294_945030.jpg
今回の舞台では、脇役の方たちが豪華で見ごたえがありました。
一番惹きつけられたのは白川和子さん。帽子屋のオバチャン役でしたが、ホントに素晴らしかった。木造アパートか長屋がある下町にいるような、気のいいオバチャンというキャラを地でいくような人柄を感じる。

それからアルマンの父親役の勝部演之さん。このお二人は年齢を重ねた心の深さや機微が、鍛えられた演技力で充分に表現されているという気がしました。

夏樹陽子さんは相変わらず美しく、嫌味な物言いをする姿にもうっとりとして見入ります。やっぱり美しい人やモノを見るのはいいものです。

原発問題で仕事を失ったという山本太郎さんが今回アルマンの親友役で出演しています。俳優としての山本さんと脱原発運動に人生をかけている山本さんへ、最後はスタンディングで感謝と敬意を込めて精一杯の拍手を送りました。

今回のテーマは無償の愛ということですが、・・・・・・少ないのではないかしらねぇ、今の時代で無償の愛を(特に男女間の愛で)心から納得できる人というのは、と思います。
でもこの世の中で一番必要なのは愛だということは、最近しみじみ感じ入っていますけどね、個人的には。
ほどほどのおカネと満ち溢れるほどの愛、これが最高の幸せなのではないかと思います。

                              


ま、ここで愛について語るのは限界があるのでそれはすっ飛ばして、帰りの出来事に話を進めます。
いつもは有楽町からJRで品川に出る私ですが、芝居が終わったのが10時半。
ちょっと遅いのでお茶もせずに、地下鉄銀座線で新橋に出ることにしました。

新橋駅から都営浅草線へ乗り換える時、JR駅の放送で京浜東北線と山手線がなにやら事故で、やっと動き出したとか動き出すとか。
(地下鉄で来てラッキーだったな・・・・・・・)
心の中で神さまに感謝しながら、都営浅草線のホームに降りました。

15分ほど待ってやってきた三浦海岸行きの特急は、11時過ぎとは思えない人の多さ。
車両の隅っこの方にやっと一人分の吊り皮スペースを見つけ、ずっと立ちっぱなしかもしれないと覚悟を決めます。
(それでも今日は幸せな一日だった・・・・・)
と余韻に浸りながら3駅目の泉岳寺。ここで目の前の人が立ち上がりました。 やったー!!!
しかも一番隅っこを確保、ツイてる! ツキすぎ!

ホッとして座り、次の品川駅。
朝の通勤ラッシュのような大勢の人がドッと乗り込むのでビックリしました。
ああ、そうか、京浜東北と山手線が動いていなかったからだな、と察します。
それにしても・・・・・・・!

横浜駅ではもっと凄い! 真夜中のラッシュです。
“無理をせず、次の電車をご利用ください”
と構内放送が流れていますが、三浦海岸まで行く電車はこれが最終。
若い女の子が、
「でも次の電車じゃおうちに帰れない!・・・次の電車じゃ三浦海岸まで行けない、どーしてもこれに乗らないと」
と可愛い声で駅員さんや周囲の人に訴えています。
「じゃ、押しますからね、いいですか? 押しますよ?」
若い男性駅員さんがお断りをいれています。
「もう一歩っ! 押しまーす! ・・・押します~っ!! 奥の方~! もうっいっ歩~っ!!!」
腹の底から大声でお客さんたちに呼びかけながら、最後の(三浦海岸行きの)女性を押している模様。
「引いて~! カバンカバンカバン! そうっ! はい、足、気をつけてくださいね~! 右足、引いて~っ!」
もう聞いているだけで可哀想になるくらいに必死さが伝わってきます、駅員さんと乗客たちの。

私は一番奥の隅っこに座っているから、前に立っている人たちもそれほど牛牛ではないけれど(注:ギュウギュウ(^_^;))、入口付近は
「朝のラッシュですか?」
と錯覚を起こしてしまうほどのすし詰め状態です。
可哀想で見ていられなくて私はずっと下を向いていました。

その後は徐々に人が降りて行きましたが、
途中各駅停車に乗り換えた時の若いサラリーマンとその友だちらしき人の会話。
「よぉ~! 久しぶり!」
「おぉ!」
「今の電車?」
「ああ・・・・」
「凄くなかった?」
「もう・・・疲れた・・・・・・、汗だくだく・・・・」
そのサラリーマンの男の子は見るからにヨレヨレでグッタリしており、私は品川駅以前に座れた事に感謝するとともに
“ごめんよ、あたしゃ座ってきちゃったよ”
と心の中で密かに詫びたのでした。

浦賀に到着したのは10分遅れ。
午前0時23分というのに、こんなに人がいるの?! と驚くくらいの人でした。



同じ時空間を生きていても、人間はそれぞれ天と地ほどの状況の違いや思いを味わっています。
思いは、自分の考え次第で天国に変えることができますが、今回のような状況で地獄側(ギュウギュウ状態)に立たされた時、私は幸せを保っていられただろうか。・・・・・・
真剣に想像して考えたら、胸が苦しくなりました。
辛い状況に立たされた時というのは、ホントに試練または試験なのだなぁ、と感じます。

  でも、アタシは(試練も試験も)もうチャレンジしたくありませんから。
  なるべく逃げられるものは逃げますから。
  前半生は命懸けで突っ走ってきて、体力がもうそんなにありません。・・・・・・

いつも、必死に神さまに言い訳をしているのです。



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by anrianan | 2012-04-29 10:47 | ■芸術orエンターテインメント
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