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お寿司の筈が・・・・・・
金曜日に晴れるのは久しぶりだった。
昼頃にやってくる豆腐屋さんから石臼豆腐と豆乳を買った後、横須賀中央に出かけた。

もちろん晴れているから、駅までは往復徒歩。
電車で10分。いつも東京まで出る私には、“ちょいと近所まで”の気分になる。
銀行回りという目的はあったが、もう一つの楽しみがあった。それは!
(帰りに、お寿司を買ってこよ♪)
と決めていたこと。

横須賀中央駅の階段下に鈴木水産直送の回転寿司店があり、安くてネタが新鮮でウマイ! というのが定評だった。
以前母がまだこちらにいた頃、
「中央に行くけど、何か買ってくる?」
と聞くと、じゃ、あそこのお寿司を買ってきて食べようよ、ということが多かった。

ふふ・・・・、たまにはちょっと贅沢しちゃお♪


ということで、目的をすべて済ませた後、いよいよお寿司屋さんへ。
そんなに大きな店舗ではなく、よってショーケースもそれほど大きくはない。4-5歩で見渡せる。
一番安くて680円、しかし“買いたい”という気が起きない。
にぎりの詰め合わせを食べたかったのだけど、やっぱり安いものは“それなりのネタ”なのだ。

私は現在ビンボー族だけど、美食家の父の指揮のもと母が料理をする家庭に育っているから、安くてもマズイものは食べたくないのだ。
“マズイもの”というのは、添加物の入っている総菜や弁当、質より量を目的に作られているもの、安い値段設定のために材質を落としている物などなど。

680円の寿司は手頃だけど、100%の感動にはほど遠い。
どうせなら、心からわくわくするものを買いたいではないか。
そう思ってショーケースを眺めていると、
(あ! これ、おいしそう~!)
でも、3000円の表示にポシャる。
(3000円?! 3000円出すなら、宅配の銀さらで注文するっちゅうの!)
心でぼやきながら、私はデパ地下で買うことにした。

デパ地下といったって、中央あたりのデパ地下でどの程度の物が買えるのか・・・・・・。
私は滅多にここら辺で買い物をすることはない。 はっきり言えば、なんとなく品揃えがダサいのだ。
でも、三崎水産が近いから海鮮物は安くて旨い、・・・・・・と思っていたのだが。


中央駅からも見える「MORE'S」の地下に行ってみた。
ここにも今まで数回しか訪れていないから、市場調査のような気分だった。

(寿司・・・・・寿司・・・・・・)
生鮮もの売り場にまっすぐ行って、ショーケースの中を覗きこむ。
(ああ、・・・・・・ダメだ。)

やっぱり食べたいと思うものは1500円以上のものになってしまう。
でも、1500円の価値があるようには感じられない。
私の頭には、あの新橋の「立ち食い寿司」のランチ580円が浮かんでしまう。
ネタとボリュームが、こんなに田舎で海に近い所なのに、全然勝ててないじゃないか。


それでも食べたい気持ちと納得いかない品々で葛藤しながら、何度も行ったり来たりしていたが、
(刺身でもいいかなぁ・・・・・・)
と、魚売り場を見ている時に、ふと「しらす」が目に入る。


あ~あ、・・・・・・なんというビンボー症。
なんだか、その「しらす」がおいしそうに見えてしまったんですよ。
白くてふっくらしていて、とても鮮度がいいと感じたんですね。

私はそのしらすパックを手に取ると、手放せなくなった。
(これをご飯に山盛りのっけて食べようかなぁ・・・・・・)
そうしよ! と脳みそが決断を出しつつあった。すると、近くにある「かつお佃煮」が目に入った。

私は「佃煮」とか「しぐれ煮」なんてものにも弱い。
普段食べない牛肉だって、しぐれ煮なら食べたいのだ。

かつお佃煮は毒入り(添加物入り)であることは分かっているのだけど、
(ちょっとビールのつまみにしたり、おにぎりの具に入れたらおいしいよなぁ・・・・・・)
と考えたら、もう寿司じゃなくてこれでいいや、という気になってしまった。

お寿司の筈が・・・・・・_d0046294_1428292.jpg

なんだかなぁ・・・・・・・。


1500円でも買ってしまうほどの寿司に出会えなかった代わりに、食べ慣れた「しらす」を買っている。

自分の肝っ玉の小ささが情けなかった。
なんだか呆れてしまうよ・・・・・・。


でも家で発泡酒を飲みながら、佃煮としらすご飯、あしたばのお浸しを食べる時、
(最高に美味しい~!)
と感じたのだから、これはこれでいいのかもしれないけれど。・・・・・・



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by anrianan | 2009-03-14 14:44 | ■食生活
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