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アミガサタケはフランス料理の高級食材だった!

4月29日の<おまけ>にアップした2種のキノコのうち、右側のキノコの正体が判明した。
付け加えておくならば、この写真を撮ったのは4月27日であった。

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どうだ、いかにも「気持ち悪い」キノコではないか。
まるで頭が網目模様の火星人を連想させる。
この時、私は触るのも気色悪い・・・・・と、そのまま放置することにしたのだ。

それがなんということか!
昨日職場で、“キノコ博士” と異名をとりそうなほどにキノコ知識に長けている人が、
「これはアミガサタケといって、フランス料理の高級食材です」
と教えてくれた。

和名「編笠茸」(アミガサタケ)は、フランス名を「モレル」(Morille)といい、トリュフとならぶ高級食材。
100g当たり4-5千円はするという。まるでウチの庭に宝石が自然発生したかのようではないか。


(ああ、やっぱり神さまは、・・・・・・)
と私は感慨にふける。
(物質的には恵まれなくとも、清く・・・美しく・・・たくましく生きている私に、それなりのプレゼントをくださったのねぇ~♪)
羽根をもぎ取られた天使のような私の心には、すっかり羽根が生えてパタパタしていた。

帰りの電車の中で、キノコ博士がくれた資料のコピーを読みながら、私の頭の中はすっかりフランス料理。
乾燥させてクリームソースで煮込み、パスタなどと食べると良いということも知った。
ちょうどウチにはパスタがある。 確か、クリームソース作りの素もあったはずだ。

トリュフも食べた事がない私が、モレルなどというシャレタ高級食材を食すことになるなんてねぇ。
しかも、我が雑草農園に自然発生していたなんて。・・・・・・・こりゃ、まいったねぇ~♪ ホクホク
(今年はまさにゴールデンウィークだわい

朝が来て、目が覚めて、もちろん頭に浮かんだのは、この宝石モレルの姿。
ウチの庭の片隅に、人知れず佇んでいるのだ。まるで「能ある鷹は爪を隠す」のごとく(?!)、である。
小雨が降っているので、収穫は明日にしようかと思ったが、いやいや、これでもしもタヌキなどに食われたり、猫に蹴られて倒れているなんてことになったら、泣きっ面に蜂である。雨などに負けていられるか!
私はデジカメ片手にズンッ! と庭に降り立った。
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モレルがひっそりと立っているのは、あの辺・・・・・。

大分成長してきた雑草で、足元が濡れる。
それでも一歩一歩、確実に高級食材に近づく。

おっ! 頭が見えたぞ♪





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・・・・・なんだか、様子がおかしい。

 ? ちょっと形が違うような・・・・・?

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なんと、網目がほとんど無くなってるじゃないか。

穴も開いている。

しかも、ちょっと斜めっている。

ど、どうしたんだい? 私の高級食材!

周囲のツタをそっと避けて、モレルの全体を眺めてみると、あちこちに穴が開いて虫に食われてしまったに違いないと思える。
網目の部分も食われたのだ!
ああ、やっぱり“美味しい”モノは、虫が食うわけね。・・・・・(女と一緒というわけね)とガッカリしながらも感心。

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これで、トリュフと並ぶ高級食材が、私の口に入る初体験が露と消えた。
しかし、タダでは起きぬぞ。 ここはちゃんとモレルを収穫して観察をしておくのだ、と私は根元から切り取る。

アミガサタケはフランス料理の高級食材だった!_d0046294_930887.jpgぎょっ! とするように、虫たちが這い出る。網の部分には、それこそ羽虫のような小さな虫がいっぱいついている。こ奴らもフランスの高級食材が好きなのか。こしゃくな・・・・・!
(※写真は、ほとんどの虫が這い出た後である)

アミガサタケはフランス料理の高級食材だった!_d0046294_932364.jpg







なんと、中は空洞だ!
「これは虫に食われてしまったのだ!」
と思ったが、このキノコは空洞なのだそうだ。

柄は円筒形、表面に凸凹がある。断面は頭部から柄まですべて空洞となっている。(「ウィキペディア」より)

触った感じは、きくらげを厚くしたようなコリコリ感がある。
食べたら、きっと歯ごたえがいいのかもしれない。


それにしても15㎝もある我がモレルを最初に発見したのは4月27日。
この時すでに、彼女(?)にとっては、番茶も出花のピークを迎えていたのかもしれない。
随分と大きく美しく成長していたではないか・・・・・・。

以前、前の家の御亭主が、大きなアシタバの株をバッサババッサと刈り取り、雑草と一緒に捨てているのを見て、なんて持ったいないことをするのだと嘆いた。
私も同じことをやっているではないか。


なんと無知とは恐ろしいことか。
せっかくの天からの恩恵を、むざむざと捨ててしまったのだ。

いや、この無念さと懺悔を胸に、次の機会に期待しようではないか。


ということで、初代モレルは「水葬」で見送ることにした。
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by anrianan | 2008-05-02 10:21 | ■家庭菜園
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