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第61回防衛大学校開校祭
谷間にあたるバス通りを挟んで、向こうの山のてっぺんに防衛大学校がある。

引っ越してきた7歳の時に、
「あそこの白い建物が防衛大だぞ!」
と、父から誇らしげに教えられ、いかに文武に優れた人間たちの集団であるかを、ことあるごとに聞かされて育った。
それは、大志を抱く青年のころに“船乗りになりたい”との夢を抱いた父の憧れだったのだろう。
戦後の苦しい家庭の事情によって商船学校に行けなかったという話を、これまた彼がお酒を飲むとよく聞かされた。
そして、“お前が男だったらなぁ・・・・・・” と続くのだった。

親がそんな風だから、私も防大生には憧れた。
実際、制服に身を包み、目深に帽子をかぶった防大生はかっこいい。
電車の中では席に座ることはなく、座っていたとしても乗客が乗ってくるとスッと立ち上がる。
年頃になった女の子たちが、『愛と青春の旅立ち』のヒロインに自分を重ねてしまうのは、当然の環境だった。
ところが、高校生のころの私は、
「防大生って、制服を着て帽子をかぶっていると、誰でもかっこいいよねぇ~」
「帽子で顔が見えないしね」
「で、帽子をとっちゃうとダメなんだよねぇ~」
「制服脱いじゃうとフツーだもんね」 きゃはははは・・・・・!
てな話を友だちとしているような女子だったから、番茶も出花の時期に防衛大の開校祭に行ったことなどなかった。
(もったいなかったよ、まったく・・・・・・)。

というわけだから、何十年ぶりの開校祭だろう・・・・・・14歳以来かもしれない・・・・・・などと思い出しながら、正門に至るまでの長く急な上がり坂を、はぁはぁと息を切らせて上った。
14歳の時に、隣のお姉さんが結婚相手の弟(=防大生)に紹介したいから、と開校祭に連れて行ってくれたのだ。
これはまったくもって、豚に真珠的なチャンスだったな。(勿体ない・・・・・・)
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模擬店が気になったが、まずは観閲式も始まっていることだし、とグランドに向かった。
頭上を、戦闘機が飛んでいく。
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パイロットの所属する師団と指名が放送されているが、当然覚えられない。
ひたすら、なるべく大きく撮ることに専念する私。・・・・・・
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おぉ、かっこいい・・・・・! なんか血が騒ぐじゃないか・・・・・・。 もうちょっと大きくズーム・・・・・・・。
あぁっ! はみ出たぁ~!
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しかし、平和だからこんなふうに喜んで写真を撮っていられるのだ。 戦時中はあの飛行機の腹からバラバラと爆弾が投下されてきたというから、その下を逃げ回る恐怖といったらなかっただろう。
父は横浜空襲で逃げていた時に、敵機のパイロットが操縦席でにやにやと笑っているのが見えたいう。
十代前半の子どもが、そういう光景を見ながら死の恐怖とともに逃げ回った経験は、どのような形でその後の人生に影響を与えたのだろうと考えてしまう。

そんなあれこれに思いを巡らせていると、防大生の行進が始まった。
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おぉ! やっぱりかっこいいぞぉ、防大生! 一糸乱れぬ行進は、とても二十代前半の若者たちとは思えない。
北朝鮮や中国の軍隊のように無駄に足をぴょんぴょん上げることもなく、静の中の動という感じで、なにやら神々しさすら感じるではないか。鼓笛隊のリズムに合わせて、私も一緒に行進したくなってしまうよ!

と興奮した後、足取りも軽く模擬店を覗いてみることにする。 なになに? 戦食ごはんセット?
「はい、戦争に勝てるご飯です」
ですって。 ふふふ・・・・・と笑いながら箱の中を見てみると、迷彩色のレトルト袋が二食分入っていた。
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こちらは「防大チョコレート」。 
え? なんだ、普通のチョコレート・・・・・・・。
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と思ったら、防大のマーク入りチョコレートが、四つのコーナーに!
・・・・・・マーク入りのチョコレートだけにしてほしいなぁ。
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さてその後、いろいろ模擬店を回りながら、ビールのつまみ(食糧)を調達しようとするのだが、どこも長~い列。
“長い列”ではなくて、“長~~~・・・・・い列”、なのだ。
並ぶことに決心がつかず、あっちのお店は? なんて歩き回っているうちに、次々と「売り切れ」の看板が。
仕方がないので、(ここまで来て)校内のファミマに行こうということになったが、ここでも長い列!
それでもここが最後の砦(?)なので辛抱して並んだが、途中で入店制限を始めて動かなくなり、その間に北風が(ビル風か?)がピープー吹きまくり、とうとう私は辛の抱が折れた。
(ああ・・・、何か食べたい・・・・温かいものが、食べたい・・・・・・・)
と思いながらも、何もない。 まさに戦場で餓えに耐える気分。(←大げさ)
泣きそうになりながら(でもないが)、店じまいした模擬店の前を通り過ぎ、資料館などで防衛大の歴史などを学び、そうこうしているうちに、開校祭のハイライト「棒倒し」が始まる時間となった。

案の定、いい場所はすでに人がいっぱいなので、なるべく人が少なめでよく見える場所を探し、木陰で寒いけど鉄棒に寄りかかって見れる場所を確保した。後ろの南出入り口には、出番を控えた選手たちが雄叫びを上げながら、全員で腿上げ駆け足やジャンプをして、気合を出しまくっている。
もうこの段階から、私も一緒に雄叫びを上げたくなってムズムズしてしまった。 ええ、アタシも剣道で散々雄叫びをあげてましたからね、こういう戦闘場面になると血が騒ぐんですわ。

さて、いよいよ予選の1回戦が始まった。
赤い服は向こう側(北)から出場し、緑色は私の後ろで雄叫びを上げていたチームである。(南から入場)
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気合満々、熱気ムンムンの猛者たちが、掛け声をあげながら走っていく。
お互いの応援合戦の後、安全点検などが行われ、いよいよ準備! の掛け声がかかる。
白い服がディフェンス(守り)、赤と緑の色つきの服がオフェンス(攻め)。 会場中も、すでに興奮・・・・・・。
「よーい!」 どきどきどきどき・・・・・・・
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手前には緑組の守り。 ここに赤服が攻めてくる。
手前で近くに見えるせいか、それとも「赤」という色のせいか、どうも赤組が強そうに感じてしまう。
ピョーン! と、棒の先端を目指して、カエルのように飛んでいく人がいる。
(ひょー! 猿飛サスケのようじゃないか・・・・・・)
彼らの運動神経が抜群であることは想像がつくけれど、この光景を見て、江戸時代の忍者はホントにいたんだあ! と納得してしまった。

しかし、守りだってナメテはいけない。
地味な役だが人に踏まれ蹴られながら耐える人、攻めてくる人間を体をぶつけて防ぐ人、棒に上ろうとする人間を上から蹴落とす人がいる。 それぞれの役回りを必死に、全身全霊をかけて、たかが棒倒しのために、一年もかけて練習をしてきたのだという。
今の時代には滑稽なくらいの真剣な姿に、なぜか涙が出るほどおかしくて、胸がいっぱいで、誰もが夢中で応援し、感動している。
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こちらも予選(2回目)。 青組とオレンジ組の対戦。
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ああ、こちらも手前(オレンジ)を攻める青が優勢。・・・・・・
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予選で勝ち残ったのは、赤組と青組。
これは2回目の予選が終わって、引き上げていく選手たち。
「よいしゃっ! よいしゃっ!・・・・・・」
と全員が大声で掛け声をかけながら退場していく。 その姿を見るだけで、戦いの凄まじさが感じられる。
自然に、会場から全員に拍手が送られた。
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さて、待ちに待った決勝戦。 まず赤組が登場。
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そして、青組も登場。
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決勝戦は動画で撮ってみた。
かなり望遠で撮ったので、あまり鮮明ではないが、ぜひ全画面で見ていただきたい。

私の横では、どうやら赤組(第壱大隊)の防大生とその彼女(らしい)が、
「上がれっ! 上がれっ! ・・・・・・ああ゙・・・・・・!」
などと、興奮しながら応援していた。


祭りが終わって、つくづく、
(日本は彼らに守られているんだなぁ)
との思いが深く刻み込まれ、また心強く感じながら帰路についた。

日々規則正しい生活の中で心身の鍛錬を重ね、世の中のために身を捧げている彼らだが、この先、命まで捧げるような戦闘地域には行ってほしくない、そういう世の中にはなってほしくない、との願いも強くした一日だった。

あっぱれ、防衛大! 今日もぽちっとお願いね。\(^o^)/
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by anrianan | 2013-11-21 07:21 | ■とりあえず日記 | Comments(0)
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