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幸せの数
先ほど宮守に電話をしたら、おナカさんから開口一番でショッキングなことを聞いた。

8月16日の夕方、町長だか区長だかの奥さんという人が、ついた餅を持ってきてくれた。
70代と記憶しているが、腰がひどく曲がっていて、もっと年寄りに見えた。
お姑さんの介護で苦労して、つい数年前にそのお姑さんが亡くなり、ようやく介護からも解放されたのだという。
ところが、その後まもなく体調を崩し、このように腰が曲がってしまったというのだ。
これはおナカさんの話。

この16日には、駒形神社で祭があった。
私は行かなかったのだけれど、その奥さんは朝から集会所で忙しかったらしい。
あの辺りでは、祭りがあると餅をつく。それも杵と臼でちゃんとつく。だから、餅の伸びといい柔らかさといい、
「これが“餅”だったんだねっ!」
と驚くほど、おいしい。

最近は機械でつくお餅ばかりだから、子どものころに食べた“臼でついた餅”の味を、いつの間には忘れていたことに気づかされた。
それ以来、“搗いた餅”をいただくと狂喜して食べた。
そしてこの日も、そのお餅をバイクで持ってきてくれたのだ。
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その方が、翌17日の早朝4時ごろ脳梗塞で倒れ、救急車で運ばれたのだそうだ。
その話を聞いたとき、私は目覚めていて救急車のサイレンを聞いていたことを思い出した。
あちらでは滅多にサイレンを耳にしないから、珍しい思いで聞いていたのだ。

そのお餅を持ってきてくれた女性は、今、左半身不随で病院で寝たきりとのこと。
おナカさんは自身も蜘蛛膜下出血をやっているから、なおさら他人事には思えないらしい。
「三分の一は死に、三分の一は不随になり、三分の一が回復するというからね」
というと、
「おかぁさんは、ほんとに運がよかったんだと思うよ・・・・・・」
と母はいう。

人間の力を超えた何かを感じて、今あることを感謝し、残りの人生を大切にし、同じ境遇に陥った人の回復を願うしかない。・・・


そんな話から、電話を切った後もしばらく岩手で過ごした休日を思い返したりした。
朝寝、昼寝、そして夜は9時に就寝という寝てばかりの中で、朝と夕のクックとの散歩は欠かさなかった。
あぜ道は整然と草が刈られ、ところどころで刈った草が燃され、稲穂は頭を垂れて黄金色に染まっている。
これが散歩道。
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私がリードを持つときもあるが、この日はおナカさんが“山裾の道コース”を歩いていった。
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右側に白い紐で囲いのようになっているが、これは野生の動物が畑に入ってこないように電流を流しているのだそうだ。
これが、その機械。
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今年は東北も異常な暑さで、私もわざわざ避暑に来た甲斐がないではないか、と思ったりしたものだが、ふとクックを見てみれば、この暑さの中で相変わらず豪華な毛皮をまとっている。
「そりゃ暑いよねぇ・・・・・・・。水浴びする?」
と(基本的に)風呂嫌いのクックに聞いて、返事を待たずにお風呂の用意をする。
すると、何の抵抗もなくさっさとお風呂にくるではないか。
おナカさんと二人がかりで、時間をかけて丁寧にマッサージを兼ねたシャンプーをしている間、ジッと動かずに気持ちよさそうにしていたから、よっぽど気持ちよかったに違いない。

お風呂上りは一時、日当たりのいい玄関前で乾かしていたが、あまりに暑いのでクックのお部屋を木陰に移動して、そこで休ませることにした。
しばらく経って、そーっと窓を開けて様子を伺おうとしたら、そのわずかな音に気づいてピョコンと頭を上げた。
  あっ♪  おねーちゃん!
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そう、“クックのお部屋”とはつまりは車の後部座席。
お昼寝のあとのせいか、格別すがすがしい笑顔をしている。(?)
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「あらぁ~きれいなクック~! 一段ときれいになって~! 気持ちいい? お昼寝した?」
私は窓からクックに呼びかける。
「またお散歩に行く?」
  えっ♪ お散歩?!
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じゃ、行こうねぇ!~ ほんとにクックは美しいわぁ~! こんなにきれいなワンちゃん、見たことないよぉ!
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私がクックをべた褒めしながら写真を撮っていると、
「まったく・・・・・・」
とおナカさんはあきれて笑いながら、クックの部屋を移動しに来た。
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人さまのワンコちゃんなら“ほんとに可愛いわねぇ”で終わるのだけど、飼い主は誰でも親バカになるもので、いつまで見ていても飽きないほど可愛いというのはどういうわけか。・・・・

私が帰って来る時、クックが昼間つながれている納屋に行き、最後のお別れをしたのだけれど、ちゃんと私が帰ると分かっているのだ。
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「その日の夜はさぁ、ほんとぉーに寂しいって顔をして、後ろを向いて伏せちゃってたよ」
と、おナカさんが教えてくれた。
そうだよね、私だってクックに会いにいくようなもんだもの。・・・・・

翌日から私は仕事が始まり、いつもの毎日がやってきた。
次に会えるのは年末。
その時は、また二人で(一人と一匹で)雪の中を走ろうね。・・・・・・。





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by anrianan | 2012-09-23 17:22 | ■とりあえず日記 | Comments(2)
Commented at 2012-09-24 12:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by anrianan at 2012-09-24 18:56
★2012-09-24 12:59 かぎこめさま、
ありがとうございます! (*^_^*)
田舎には何もない、とよく言いますが、一番大切な自然がありますよね。でも都会は都会で文化や情報が集まって楽しいし、どっちの方がよいともいえず、かぎこめさんの歯痒さも分かりますわよ。同感です・・・・・・。
一度クックをこちらに連れてきて海を見せたいと思うのですが、東京駅や品川駅の人ごみを見たら、目が飛び出しちゃうのではないか・・・・と心配です。(笑) やっぱり田舎の子だから、この自然の中のお散歩がいいのかな。・・・
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