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上野公園で・・・・・・
2011年4月18日は、なんとも不思議で面白い日だった。
この日、私と心友は“写楽展”を観るために上野で待ち合わせた。


久しぶりの再会に話も弾むが、写楽展の会場につくと閉館。
なんと、大震災のために日程が変更になっていた! (4/15~5/15 → 5/1~6/15)
(ああ、ホームページを確認するなんて発想が微塵もなかったよ・・・・・・)
とガッカリしながら、友だちの
「この辺をちょっと歩いてみる?」
の一言で、上野公園のぶらぶら散歩が始まった。

なんとこの辺りは、由来も何も知らないが歴史を感じさせる建造物が多いことに改めて感じ入った。
特にその建造物について詳しく知ろうなんて意欲はないのだが、古い建物にはなぜか心が落ち着く。
大きなご門を目にしながら、あれは何の門? なんだろう? なんて聞き合いながら、答えを得ようという強い意思はない。目は門に注がれながら、話の続きに戻っていく。・・・・・


「あれは、お寺? 神社?」
「お寺だよね・・・・・」
「そうか・・・・・」
なんて感じで歩いていたら、私たち二人の傍で、
「あれは、京都の清水寺だなぁ・・・・・・」
とつぶやく男の人がいる。

いかにも話しかけられたという感じではないのだけど、明らかに私たち二人につぶやいている、という感じ。
二人とも何気にその人を見ながら、拒否するでもなく相槌を打つでもなく、空気の流れを見ていると、もう一度同じことをつぶやき、私たちに同意を促す。が、そんなこと、私たちが知る筈もない!
「へぇ・・・・・・・、そうですかぁ・・・・・・・」
なんて、当たり障りなく相槌を打った。

すると、やおらその男の人は勢いづいたように、
「上野公園の中には、京都の名前のものばかりなの!」
「日本は、ほとんどの歴史を隠しているの!」
「上野には34(33だったか?)のお寺があって、動物園も美術館のある所も、すべてお寺なの!」
「あそこは全部お寺なの!」
初めて聞く歴史話が、次々とご披露されていく。

素晴らしい、これが“立て板に水”というのだろうか・・・・・。


「いい? いい? ・・・・・じゃ、一つ教えちゃうけどね、あの平城館の隣りに大きな門があるけどね・・・・・・」
「ああ! さっき“なんだろうね”って話しながら見てきました」
ここでやっと、二人で言葉を返した。

「あの門は鳥取藩池田家のご門で、関東大震災でも東京大空襲でも、あれだけは残ったの!」
  へぇ~っ! 
「そしてね、じゃ、言っちゃうよ! ・・・・あの門は、今の帝国劇場がある所にあったの」
  へぇ~っ!!
二人ともそれぞれに縁を感じることがあり、そのオジサンの歴史講義に興味が惹かれていった。

「あのお寺はね、京都の清水寺なの!」
と傍らのお寺を指さす。  へぇ~っ!
「じゃね・・・・・、じゃ、二人ともちょっと来てみて」
と私たち二人を誘導して階段を上がり、お寺を見せ、やおら講義は続く。

「上野にはね、2つの重要な所があるの。 一つはね、あの石垣に囲まれた所」 へぇ~・・・・・・
「じゃ・・・・・・、お二人には和ませてもらったから教えるけどね・・・・・・」(?)
などと言いながら、
「ここで天海僧正は亡くなっているわけ。もっとも重要な場所なの!」  へぇ~!
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さらに、そこに立ったまま延々と歴史講座は続き、徳川幕府の公表されていない歴史や家紋と大名、明治維新の際に家族の階級を決めた人たちの話など、
「いい? あなたたち、目からうろこがとれるよ!」
と言われながら、初めて聞くそれらの話は江戸時代好きの私にも、江戸時代にはそれほど興味がない心友にも、それなりに興味が湧いて面白かった。相当のうろこが剥がれたに違いない。

しかし、しかし、何よりも面白かったのは、そのオジサンの頭の上に止まったままのガク。
ガクというのは、花弁の根元を束ねている部分のガクのこと。
話しかけられて間もなく、残り少ない桜の花びらがちらほらと散って来て、これまた残り少ないそのオジサンの前髪の部分に降りてきた。しかも、花弁が全部落ちてしまったガクの部分だけ。・・・・・・
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ぷっ! と笑いたい気持ちは山々だったが、それをつまんで取ってあげた方がいいのかどうか迷いながら、彼女はどう思っているかしら、とちらちら盗み見る。
(絶対に気付いているよな・・・・・・)
でも彼女の視線は、決してすだれ髪のガクにとめない。
お互いに感じていることは大体いつも同じだから、二人ともなんとなくガクのことは気付かないふりをしながら、話を聞き続けることにしたわけだ。


つまりは、こういうこと。
彼は江戸博物館で歴史講義をするほどの方で、今朝はある芸能人に歴史を教えるためにすべての予定を空けてやってきた。ところが、上野の駅に着いた時に電話が入って、
「先生、今日は一歩も出られなくなりました!」
と一言で電話が切られた。つまりドタキャンをされたことに酷く憤り、そのうっぷんを私たちに講義することで晴らせたということのようだ。その芸能人は公には書けないけれど、XX鑑定団に出ている人で、その奇妙なオジサンは、実は鑑定をする一人なのだと知らされた。
「今度出るから、見てみて」
なにやら嬉しそうに、歴史の“秘密”や番組の裏話を次々に打ち明けていた。
NHKの「その時歴史が動いた」では、“あれ、書いていたの”と言っていたなぁ。
あ、それに国立図書館の重要資料になる本のページが切り取られてしまった損害額は、兆を超えたガクという単位で、天下りの官僚たちは何もしていない! と怒っていた。(ここでも、ガク・・・・)

最後に“お宝”(らしい)資料のコピーをくれて、そこに持参の筆ペンでサインまでしてくれて、ガクを頭に乗せたまま立ち去った。・・・・・・(^_^;)



私たちは写楽展にドタキャンされて(延期を知らなかっただけ)、特に目的もなく散策をしていたから何の問題もないのだけれど、この展開には半ば目をシロクロさせながら、二人でおかしくて面白くて仕方がなかった。


その後、忍ばずの池に行って、コーヒーとパンダ焼きを食し、(350円)
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メキシカン料理を食しながら、さくらの妖精の話で何回も盛り上がった。
そのメキシカン料理店は狭いながらも、店内はメキシコのムードいっぱい。
壁にはなぜか木枠に入ったマリアさまの絵が飾られており、その前の席に案内された私たち。
マリアさまに縁が深い彼女がこれには深く感動していたようだ。
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なにはともあれ、二人でそれぞれに感動のプレゼントをもらった一日であった。

なんとも不思議な展開で、なんとも奇遇な出逢いが続いた日。・・・・・・・



   やっぱり、生きているって楽しいかも・・・・・・・。





釈由美子さんが見た妖精は「小さなオジサンだった」という話から、「じゃ、あの人は桜の妖精だったかも!」(ガクッ)ということになったの。ちょっと笑えた? 応援のぽちっをお願いね。(笑)
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by anrianan | 2011-04-19 12:42 | ■とりあえず日記
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