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原発の爆発によって失ったモノ、得たモノ
昨日はお江戸に出た。
帰宅時間帯には、京浜急行の金沢八景~浦賀や三崎口の区間が運休する予定だった(6:20~10:20pm)。
だから、帰宅は11時近くになると覚悟して家を出たが、会社を出る前に京急のホームページを確認したら、運休がなくなったと書いてある。
本数は減って時間がかかるだろうけれど、10時半近くまで時間を潰す必要がなくなったと喜んで品川に向かった。


始発の品川ホームには、たくさんの人が並んでいた。
とはいっても、通勤ラッシュ時とそう変わらないとも感じた。

運よく座ることが出来てホッとする。(だって1時間は乗っているからね)
上大岡という駅で人がドッと降り、一気にがらがら。そこからは人が減る一方。
堀之内で乗り変えて浦賀までは、一車両に10人もいない。
(みんな、運休だと思っているんだろうか・・・・・・。)
職場でテレビを見られない会社がほとんどだろうし、ホームページを確認していない人も多いかもしれない。

浦賀駅に到着してホッとしたが、なんとも薄暗い駅構内。こんな光景は初めて。・・・・・・
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光と音と色が消えた世界。・・・・・・
駅前にバスが止まっていなかったら、家まで歩いて帰るしかないなと階段を降りていくと、ほんのり明りをつけてバスが止まっていた。
よかったぁ~!
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信号もなく、暗い山道を上っていくような感覚に陥る。
乗って5分の道のりが、いつもよりも長く感じた。

バスを降りて交差点を渡るのだが、
(対向車が時々現れるから注意をしなくちゃ)
と交差点の前でバスが行きすぎるのを待った。
すると、バスが止まってくれるではないか。
一瞬戸惑ったが、私が渡るのを待ってくれているのだと分かって、かるく頭を下げながら歩を進めた。
すると、ライトを明るくしてくれた!
(対向車も気がつくようにしてくれたのね・・・・・)
胸が熱くなる。
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子どもの頃から見慣れた街は、まったく別の場所に見える。
北の空が赤く染まっているのが印象的だった。

物音一つ聞こえてこない不気味さを感じながら、何度も後ろを振り返り振り返り、道の真ん中を歩いて行く。
端っこを歩いていると、物陰から何かが出てきそうで怖いんだもの。
それでも空を見上げると、まったくの真っ黒というわけではなく、どちらかというと白っぽい。
まるで夢の中で道に迷っているような感覚。
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(でもさ、明るく感じると思えば明るくなっていくし、暗いと思えば暗くなっていくし・・・・・)
と自分に言い聞かせ、だんだん明るくなってく感じ~♪ と思いながら坂を上る。
そしてこの坂を上り切って曲がればもうすぐに家、という所にきた。

すると、なんということでしょう~♪

思わずディズニー映画を見ているような気分になり、“fantasy"という言葉が頭に浮かんだほど。
手前の街灯から次々と電灯が点いていくのだ!
そして家々の窓もポツンポツンと明りがついて、一気に風景が変わった。
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心の中で、“うわぁ~!”と歓声を上げながら、感動のあまり立ちつくしてしまった。

いやいや、妄想の中ではすでにミュージカル映画のように踊っていた・・・・・・。
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電気はホントにありがたい。
でも今まで、電気はいつでも無尽蔵に使える(電気代を払えば)と錯覚してしまう世の中になっていた。
“便利なオール電化”は、ほんとに便利なのか? と立ち止まって考える機会をもらったのではないかと思っている。


さて、こちらでは本日3:20から3時間ほどの停電。

私はこの時間になったら、お風呂に入るのだ。・・・・




<追記>本日の岩手県遠野市
「今日はすっごい雪だよぉ! 今雪かきが終わったんだ」
と、おナカさん(母)から電話があった。

例にもれずガソリンが底をつき、歩いて4-50分ほどのところに買い物に出たけど、どーしても食べたかったパンが無かったという。
「そしたらサカキさんがさぁ、焼いたパンをくれたんだよ!」
「あぁ・・・・・・・・(パンが食べたいのかぁ・・・・・)」
買って行ってあげたいけど道が閉鎖されていてどーにもならず、思わず呻き声がもれるだけ。・・・・・・

「それより、薬、大丈夫?」
と尋ねると、
「んん・・・・・・・」
こういう曖昧な返事をする時には、ごまかしているのだ。
おナカさんは14年前に蜘蛛膜下出血で一度は助からないといわれ、自分では薬でもっていると信じている。
さらに血液中の鉄分が多過ぎるとかで、週一回通院して鉄分を薄めていると聞いていた。
本当は不安なのだ。

「大丈夫だよ、お母さん、楽天家だから・・・・・・」
笑いながらそう言ったおナカさんの声からは、自信を感じられなかった。・・・・・・・



祈るしかないのだ。
(早く道路が開通してくれますように・・・・・)
そうすれば被災者に物資も届けられるだろうし、知り合いがいる人は県外に出ることもできるだろう。

大雪の中、灯油がない。ガソリンもない。
水やガスがとまっている地域もある。
お年寄りは常備薬がなくなって不安になっている。

それを考えたら、節電による不便などどってことないじゃないか・・・・・と思える。





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by anrianan | 2011-03-17 13:53 | ■とりあえず日記
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