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おもひで
4つの頃に時々泊まらせていただいた親戚のオジサン、94歳だったそうです。
昨日は告別式でした。

「オジサン」と呼んでいましたが、父方の祖母の弟に当たる方です。
3人の娘と息子が1人、そしてオバサン(妻)の6人家族でした。
お姉さんもお兄さんも、4つの私にしてみればすっかり大人です。
そんな大人の中に4歳の私を、よくぞ泊まらせて面倒を見てくれたものだと、今の私は思うのですが。・・・
おばさんはじめ皆優しくて、厳しく育てられていた私にとっては全く異質の環境でした。
いつも誰かに見守られているという安心感や構ってもらう嬉しさで、すっかり甘えん坊になっていました。

おナカさん(母)はよく言ったものです。
「“さがみはら”に行って帰ってくると、なんだか色が白くなって垢ぬけてくるよ」
私はその“垢ぬけてくる”という言葉を聞くと、“きれいになってきた”と言われたようで、これまた嬉しかったものです。



この“垢ぬける”家で、生まれて初めて「メロンパン」に出会いました。
おばさんが大きなメロンパンを、丸ごと1個私にくれました。
黄色くて、上にはお砂糖がかかっていて、甘くておいしい!
大きいから食べても食べてもなくならないような気がして、これも嬉しい。

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そのうちに、左奥歯にガチッという感触があり、
(お砂糖を噛んだ・・・・・・)
と思った記憶があるのですが、それから左下奥歯が痛くなりました。
それをおばさんに告げると、白いタオルに氷を入れて、
「これをほっぺたにこうやって当てて・・・・」
と一緒にほっぺたを抑えてもらい、その事件(?)に他のお姉さんたちも次々と心配してくれて、
これで一層私はメソメソが勢いづいたりしたわけです。
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ある時は、今でいうなら「パジャマパーティー」。
お姉さんたちが布団の上であれこれ話しているその傍らで、私もごろごろしていると、たまに構ってもらえて、これでなんだか大人の女の仲間入りしているような気分で嬉しかった、という思い出もあります。
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オジサンの思い出といえば、すぐに浮かんでくるのが“ひよこ”です。
一番上のお姉さんが勤めている会社に連れて行ってくれることになりました。
たぶん、休日の日で何か用事があったのか・・・・・・詳しい事情は何一つ覚えていません。
でも、出掛ける前に、
「ひよこがほしい、ひよこがほしいって言っちゃダメだよ」
とオジサンに言われたのです。
「うん!」

そして、連れて行ってもらった所には、なんということか!
ズラーッと大きな何段もの棚に、たくさんのひよこが・・・・・・!
(か、かわいぃ~・・・・・・・・)
私はそのふわふわした毛で覆われてピーピー可愛い声で鳴いているひよこに、すっかり魅了されてしまいました。

最初は我慢していたものの、帰る間際になるとどーしても欲しくなってしまったのです。
「ひよこがほしい・・・・・」
ついに言ってしまいました!
お姉さんは困ったと思いますよ。
たぶん一度は「ダメよ」と言われたと思うのですが、半べそになっている私を前にお姉さんは傍にいた男の人としばらくやりとりをして、2羽のひよこが入っている小さなケーキ箱を手渡されました。
(うわぁ~・・・・・可愛い・・・・・)
ずっと見ていても飽きません。

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さて家に着くと、オジサンはニコニコしていましたが、私は内心ひよこの箱を持っているので罪悪感があります。
お姉さんと一緒にひよこの箱を見せると、オジサンが
「ひよこがほしい、ひよこがほしいって言ったんでしょう?」
と私に聞きました。
「・・・・・・・・」
言ったけど、「言った」といったら怒られる、お父さんにも言いつけられて、お父さんにも叱られる・・・・。
私はひよこを見たまま、黙秘権です。
するとオジサンはそんなに叱ることもなく、まぁ仕方ないか・・・・と言った雰囲気に、私はホッとしました。
周囲の大人たちから存分に愛情を注がれたという記憶は、たとえ短い時間でも鮮明に覚えているのですね。


1年365日、94年で34310日。
こうして計算して見ると、なんて人の一生って短いのだろうと思います。

私は今までの人生を振り返って見ても、どのくらいの日数分を覚えているか。・・・・
よっぽど嬉しいこと、悲しいこと、辛いこと、おかしいこと、なにか衝撃的なインパクトがないと、過ごしてきた時間の大半が忘却の彼方です。

その中で、この古い古い4つの頃の思い出は、しっかりと保管されていました。


なんでもっと、顔を出しておかなかったかなぁ・・・・・・・・。
電話でおナカさん(母)にそう話した時、私は鼻の奥がツーンとして言葉に詰まりました。
するとそれに共鳴したかのように、
「そうだな・・・・・」
といったおナカさんの声も震えていました。



  あの色白でふくよかで優しいオバサンは、3か月前に亡くなっていたと知りました。




      おじさん、ありがとう。・・・・・おばさんにも「ありがとう」って伝えてね。・・・・・・

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by anrianan | 2010-10-04 15:06 | ■とりあえず日記 | Comments(10)
Commented by tomiete2 at 2010-10-04 18:55
甘えられた、おじちゃん、おばちゃんがいて子供のころは可愛がられたのですね。・・・

寂しいでしょうけど人間の命・・・いつかは別れがあるのですね。

   お悔やみを申し上げます。
Commented by トマコ at 2010-10-04 21:52 x
お寂しくなられましたね。
子供の頃に可愛がってもらった思い出って、たった一度の事でも覚えていたり
何十年も会っていないのに、突然思い出したりします。
優しい思い出も、忘れないものなんだなって思うことがあります。
今は親戚の付き合いも薄くなったりで、おじちゃんちに泊まったり
お姉さんたちに可愛がってもらったり・・・
そういう経験が出来る子供たちが、どれほど居るのかなぁってふと思いました。
私も子供のころに可愛がってもらった人たちに、
気になりつつ、会わないまま亡くなった方があります。
後悔するんだけど、きっと通じていますよね。
おじさまとおばさまの、ご冥福をお祈りいたします。
Commented by タン at 2010-10-05 07:25 x
おはようございます!

94歳!大大生ですね!
そうでしたか・・・僅か3ヶ月の差でご夫妻が旅立たれましたか・・
あちらの世界でまた直ぐにご一緒でしょうね。

四大記憶・・・
ひよこはその後大きく育ったのでしょうか?^^
メロンパンは私が子供の頃にもありましたから長い歴史ですよね・・
やはり美味しいものは廃れませんよね。

私が子供の頃の記憶で強烈なのがありますが・・・
臭くなりそうだから書きません!^^;って、以前教えましたよね?
Commented by anrianan at 2010-10-05 09:49
★tomieteさま、
親戚といっても、親しく交流がある人もいれば、ほとんど話したこともない人もいたりしますね。
子どもの頃お世話になったのに、成長するにつれ自分の生活が忙しくなって、私はほとんど顔を出しませんでした。・・・・・ 昔の人から見たら、私はなんとも希薄な人間だと思います。
全体的に核家族で、仕方ないのでしょうか・・・・。
Commented by anrianan at 2010-10-05 10:02
★トマコさま、
寂しいという感情はあまり無いのです、実は。
なぜなら、この頃以来ほとんど会わずに来てしまったので・・・・・・、それが残念です。
たくさんのお孫さんたちもいらしてましたが、初めての方ばかり。・・・ 遠い親戚になるのにね。(^_^;)
映画ではないけど、意外に身近なところで親戚の人間が関係していたりするんではないか、と思いました。
中国人のように、系図を重んじて親戚総会などが開かれると、もしかしたら現代人の孤独感や孤立感が減るかもしれないと思います。
私はとても可愛がってもらったお習字の先生とか、ピアノの先生も亡くなってしまって、同じように大きくなるに従ってあまり顔を出すことをしなくなり、亡くなってからとても後悔しています。
この世にいなくなると、余計に感謝の気持ちが濃くなるというか・・・・・。
よく親に対しては「親孝行したい時には親はなし」と言われますが、人間って、失ってからしか大切なものが見えなかったりするのではないかしら・・・、なんて思ったりします。
Commented by anrianan at 2010-10-05 10:15
★タンさま、
おはようございます。
そうです、大往生ですね。・・・・・ ほとんどの骨が残っていたんですよ、小さな指の骨から一番細い肋骨まで。・・・・ 真っ白な骨でこれだけ残るのは珍しいと。・・・・・・ 幸せだったのだと思います。ご夫婦で間を空けずに亡くなるのは仲が良い、と言われますよね。 おじさんも、おばさんが亡くなって気落ちしたのはないかと思います。・・・
メロンパンはタンさまの頃からあったのですか?!(笑)
そうでしたかぁ~、そんなにメロンパンの歴史があるとは思いませんでした。
ひよこが大きくなって、小学生の頃に一回訪れた時、「あれがあの時の鶏よ」と言われたような・・・・・・。
可愛くなくなってしまっていたので、あまり感動はありませんでした。(笑)
臭い思い出ですか。・・・・・そういう何かインパクトがないと覚えていませんよね。
以前伺ったと思うのですが・・・・・・、なんせ自分の事も大方覚えていないメモリー容量なので・・・ちょっと、思い出せませんが・・・・・・。なんとなくおぼろげに・・・・・・想像はつきます。(笑)
Commented at 2010-10-06 09:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saudade_55 at 2010-10-06 10:58
素敵な思い出ですね。楽しくて素晴らしい思い出のなのに、読んでいて涙が浮かんでしまいました。最近、涙もろくなって笑ってしまいます・・・
 小さなアンリさんが何気なく、でも楽しく過ごせた叔父さん家族との時間はかけがえのないものですよね。年代の違う人との交流は人間の成長にとって、本当に大切なものだと思います。
「人間は終わらないんだよね。お母さん!」と最近4歳の息子が言っていました。ある人が死んでも、何処かで新しい命が生まれ、そうやって人の命はあり続けるんだって事を言っているのだと思います。祖母がなくなった時に、人はいつか必ず死ぬのだと話したことを自分なりに解釈したのでしょう。
 話が変わってしまいましたけど、叔父さんご夫婦のように、思い出したときに心がポッと暖かくなるような思い出を、自分の関わった人に沢山残せるような人間になりたいと思います。
Commented by anrianan at 2010-10-07 08:35
★2010-10-06 09:44 カギコメさま、
ありがとうございます。
父方の祖母の弟に当たる方で、・・・・よく似ていますね、姉弟は。
もっと顔を出しておけばよかったと思います。・・・・
Commented by anrianan at 2010-10-07 08:51
★saudade_55さま、
年々、涙もろくなりますよね。(^_^;) 
私は特に厳しく育てられたので、このように皆から真綿で包むように可愛がられる状況に慣れていなかったのを覚えています。それでも
最初心戸惑うのですが、そのうちに叱られないという安心感から甘えん坊になっていましたね。・・・
小学生、中学生と大きくなるにつれて、1年に1回も顔を出していませんでした。
お姉さんたちがどういう風に嫁いでいったとか、おばさんが亡くなる前ずっと入院していたとか、何も知りませんでした。・・・・・・ 情けないです。
大人たちが心の余裕を持って子どもに接するというのは、子どもにとっても大きな影響があるなぁ、と感じます。
大人が5-6人いて、代わる代わる子どもに接すると負担も少ないし、双方にいいのですね、きっと。
私も誰かが大きくなった時、あるいは後々に、暖かい気持ちで思い出してもらえる存在でいたいと思いますが、・・・・どうでしょう。(笑) 悪い縁ほど生まれ変わっても、繰り返し巡り合うような気がするので、なるべく良い縁に変えていきたいですね。・・・・・・(^_^;)
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